日々の暮らしも(2003年)


2月25日(火)コピー

 東芝イーエムアイ的なレコード会社にコピーコントロールCDなるものをつかまされ、音質的なこととか著作権など知らぬが商品としてどうなのかこれは。「通常のCDプレーヤでの再生を意図して製作しておりますが、再生できないこともあるだろうよ」。…。「食用を意図して製作しておりますが、運が悪けりゃ死ぬだろうよ」って言ってるのと同じではないのか。しかもオレはアマゾンで注文したので、こんな品が送られてくるとは露知らず、著作権守るのは重要なことだとは思うが、製造技術の未熟さを棚上げして「再生不可能でも知らんぞ」とは何様の成す業なのか。単純に「買うな」という警告なのなら理解できるが。正直なところ、コピーしてまで聴きたいCDなどない。コピーしてまで使いたいソフトがないのと同様だ。欲しいものにはお金払うよ。純粋に音楽を聴きたいってわけじゃなくて、CDが欲しいんだし。物欲人間だし。結局のところ、コピーして聴きたい人と言うのは、コピーできなければ聴かないだけの話ではないのか。売り上げが伸びるのではなく聴かない人が増えるだけではないのか。こんなことで音楽業界が衰退しても悲しいので、コピコントロルCDを売るための警告文句を考えてみた。

 「通常のCDプレーヤでの再生を意図して製作しておりますが、成人指定」
 「通常のCDプレーヤでの再生を意図して製作しておりますが、大事なことはそんなんじゃない」
 「通常のCDプレーヤでの再生を意図して製作しておりますが、今日の花粉は少ないでしょう」
 「通常のCDプレーヤでの再生を意図して製作しておりますが、電子レンジでの加熱はご遠慮ください」
 「通常のCDプレーヤでの再生を意図して製作しておりますが、認めたくないものだな、若さゆえの過ちは 」

 いっそすべてアナログ盤に戻してはどうか。オレ、もしかしていいこと言った?
 それから。マッキントッシュはパソコンのうちに入らないそうで。そうさ。マックはパソコンじゃなくて、パーソナルコンピュータだからね。


2月24日(月)DON'T TRUST OVER THIRTY

 Don't trust anyone over 30 ということばがある。僕は早く30になりたい。というかもうすぐだ。20代はもうかなり10年近くやったので、いい。堪能した。男だろうが女だろうが薬罐だろうが人類は30からのような気がする。30から何なのかと問われれば、30から人類なのだと答えていきたい。30までは人類ではなくて、前人類だったり、近人類だったり、亜人類だったりするので注意が必要だ。あいつのことは信用するなと言われて初めて人類に達するのである。というよりもすでにしてあまり信用されていないような気すらして、もっとおおっぴらに信用されなくなりたい、オレのことを信じるなと堂々と宣言したい、そういう欲望がふつふつと湧いてきてもうすぐ30なのであろう。


2月23日(日)はえる

 散髪にいく。前髪はこんなもんでいいですかと問われ、う、ちょっと短いのでは、と思ったのであるが、ちょっと短いです、と答えたところで好転するわけでもないし、こんなもんでいいですと。そういえば学研や何かで未来の床屋さんでは髪を切るのみならず伸ばすこともできる、というようなことが紹介されていた。当時はまるで興味なかったのでふ〜んそうですかとそれだけであったが、今思うにあれはどういうような仕組みを想定していたのであろうか。毛生え薬?だとしたら別に床屋行く必要ないしな。何か器械的なものをかぶって、みょみょみょ〜んとあてる?あてると生える?あてるって何を!生えるって何が!


2月22日(土)烏賊墨

 極秘ルートから烏賊を入手したのでお昼は烏賊墨スパゲティ。相棒がネットで調べて烏賊をさばく様を逐一レポートしようと思ったのだが、ワイン買ってこい、クリーニング出してこい、と、お使いから帰ったらほとんど終了に近づいていたのだった。むぅ

皮をむく?
 烏賊墨部分は存外に小さいものですな。こんなんで足りるのかしら。

烏賊墨?
 烏賊墨ソースにゲソを煮出した汁を加えるとかなりマイルドな色になった。真っ黒を期待する向きとしてはやや物足りぬかも。烏賊墨スパゲティに烏賊ってあまり入らんのではないか?ま、まぁよしとするか。できあがり。
できあがり?
 心なしか、味も焼きそば風だったように思われたのだが、それはつまり気の迷いなのか。烏賊の呪いなのか。
※注)ヤキソバではありません


2月21日(金)ことえり

 サファリアップデート(v60)かけたら、favicon がうまく表示されなくなった。表示されなくなった理由は不明だ。自サイトはこちょこちょ書き換えているうちに表示されるようになった。が、他サイトはダメだ。オレがこちょこちょするわけにもいかず(当たり前だ)もんもんとしている。サファリ側の設定で何とかなるものなら何とかしたい。よくわからず。なくても困らんのではあるけど、ないとさびしいねぇ。ところでfavicon ってどう発音するんだ。ファーヴィー?コンヌ?
 オーエスアップデート(10.2.4)かけたら、インプットメソッドがことえりにかわっていた。さっき気づいた。ていうか。もっと早く気づけよ。


2月17日(月)恋人のいる時間

 本日もおやつ話ではじめてみれば春菊クッキー。またしても謎レシピ。春菊風味なのかと思いきや、単なるいろどりなのか。同じ葉物でも菜花とかブロッコリだと青臭くてひどいことになるのだそうだ。ある程度癖がないとダメってことかな。クッキーなので大きくははずれずに美味。焼けるときの匂いがまた。
 で、四本目。こんなことなら最初の一本みたときに3プログラムの前売りを買っときゃよかったと、くよくよ悔やむ。くよくよ悔やんでいるうちに終わる。
 映画、寝てしまいませんか。私はかなり寝ます。それも無視できない確率で、内容理解に支障を来すレベルに達します。おもしろくない、とか、疲れている、とか、一般的な要因が排除されていても、落ちるときは落ちる。暗くなるのがいかんのであろう。明るい映画館希望。
 で、私がゆめうつつのうちにみた「恋人のいる時間」は、赤ちゃんができたと医者のところへ相談に行ったり等辺三角形の意味がわからなかったり、油断すると男女が裸で抱き合ったりしている、そんな種類の映画だったのだが実は、女は浮気していて、どっちが父親だかわからない、という不穏なストーリなのであった。


2月16日(日)苺のアイスクリーム/ゴダールのマリア

 アイスクリーム、苺の。ふだんはパン焼き器でオプション部品の装着によりアイスクリーマになります。咳が止まらなくなるほどたくさんのアイスクリームが生産されます。これがたいへんに甘く、なめらかで、咳が出るのもお構いなしに食べ続けてしまうのでした。
 マリア、ゴダールの。ミエヴィルによる短編『マリアの本』とゴダールの長編『こんにちは、マリア』から成ります。最初二人のマリーは同一人物なのかと思いましたが、よくよく考えると「ちょうどその頃」なわけで、そんなはずはないのでした。マリーが別居中の父のところへ行き三角形を教えてもらう場面が、私は好きです。処女懐胎のモチーフ(モチーフ?)は正直ピンとこなくて、これは私が仏教の国に生まれ育ったからでありましょう。引用引用繰り返し引用、ちょっと眠くなったかも。明日は「最後の60年代ゴダール」?





2月14日(金)薬罐

 このところまめに日記を書いている。ゴーライブの重さではかられるテキスト量だ。ヒマなのですかと問われればヒマなのですとしか答えようがない。この人生で忙しかったことなどない。忙しかったことなどないのだからヒマだったことだってないのだ。生きてますかと問われて生きてますとしか答えようがないのと同じだ。夕飯は塩サバでチョコレートをいただいてコーヒーを飲んだ。ストーブの上で湯気をあげている薬罐は黄色すぎる。この先これほどまでに黄色い薬罐で湯を沸かすことなどないだろう。これを好んで買ったのは妻だ。時々ではあるが想像しがたいセンスを発揮することがある。別人なのではないかと思う。妻とは妻自身に湯を沸かすところの薬罐である、すなわち湯を沸かすということには薬罐が妻自身に湯を沸かすものなることが含まれている、それで妻とは単なる薬罐ではなしに、薬罐が妻自身に湯を沸かすというそのことである。で、何ですか。


2月13日(木)本命チョコレート

 バレンタインデイといえば女子が男子にチョコレートをプレゼントする日として有名であるが、オレは知らなかった。知らなかったというより、現在も知らない。バレンタインとホワイトデイを並べられてどっちが男子でどっちが女子、と問われると、咄嗟には答えられない。自慢ではないが、というよりそんな現実に直面して打ちひしがれているのであるが、愛の告白とか甘ずっぱい経験などこの生涯で、30年をも迎えようかというこのオレの生涯で、皆無である。無である。というよりも、ありえない。妻が高級チョコレートをくれる日として幸せではあるがそれは何かが違う。何かが違うということだけはわかる。職場の人もふだん見かけることのない珍チョコレートをくれるがそれは何かが違う。何かが違う、何かが違うと粉のついたチョコレートをつかんでは口に放り込み、つかんでは口に放り込みしながら考える。オレは愛の告白とか本命チョコレートとか、世間様なら誰でも知っているようなことを知ることなく、現実体験することなくこの生涯を終えるのだ。なんと悲しいいい生涯であろうか。なんと侘びしいいい生涯であろうか。そういう事実に30年近くも気づかなかったというのはなんとアホな生涯であろうか。いや、いっそ気がつかなかった方がよかったのか。うまい、粉のついたチョコレエエトうまい。と幸せな生涯を閉じられたものを。これからはチョコレートを食べるたびに、この屈託を、この挫折を、この喪失感を、味わい舐めねばならないのだ。ていうかまあお高いチョコレートはうまいが、ふだん食べてるのもうまいので、こんな毎日でもチョコレートをいただける、恵まれた時代に生まれたものだと思った。


2月11日(火)脱ぎ捨てた

 半年使わんもんは一生使わんと、ものの本で読んだと、職場の先輩が得意げに語っていたのだが、買ってからいっぺんも使ってないリアルのCD、半年どころじゃないよ、いますごい必要。めっちゃ探してる。ていうかついこないだ、ふるいソフトやらマニアルやらの整理したんよ。そのとき確かにバージョン2とか3とかは捨てた。最新のがあればいいやろって捨てた。最新のマニアルは二冊ともちゃんと残ってる。CDは、捨てた?ていうか捨てるかふつう。ていうかオレ。
 メモリ満載でうれしがり、久しぶりにライブモーションをクラシック環境で立ち上げて、よっしゃあ、作るでー!ってできたのがあれですか。パクパクミカンさん。ていうかオレ。パクパク、ていうかパクってるし。
 おおきいい画面がほしいなぁ。新しいアイマックでもいいよ。ていうか何様ですかオレ様は。
 むしろバージョン2で十分なのだ。そんなすごい機能は要らんのだ。間違ってるところを自動でなおしてくれるとか夜中にこびとさんが勝手にやってくれるとか、そういうことなんだよ!て、どういうことですか。


2月8日(土)東男に京女

 京都観光四人組に混ぜてもらう。オープン参加で八坂神社から合流した。円山公園を抜けて五条の方へ。京都在住のくせに寺社とか仏閣とかが苦手な僕はどう振る舞ってよいのかわからず清水から飛んでみたりしたのだけれど今こうして生きているのは幸運だと感じる。ぽつりぽつり降ってきて雨の京都もなかなかどうしてとムニャムニャひとりごちながらぬれて帰った。京都人は雨降っても傘差さないという伝説があります。ウソです。それからよくよく考えてみると東男も京女もいなかったよ。

(追記)めったやたらに中国の人を見かけた(というよりもむしろ中国の人に取り囲まれていた)のは、現在旧正月のお休みだからというのが最大の理由のようです。見分けつかんよねぇほとんど。


2月6日(木)パッション

 他にすることもないので新聞を拡げたり畳んだり、拡げたり畳んだりしているとやっぱり今日もゴダールがかかっている。地下水道を通って地下駅へたどり着きそこから地下列車に乗って地下劇場へと向かうのだ。監督や労働者たちが脱いだり逃げたり暴れたりした揚げ句に、物語を投げ捨てろ!物語を焼き払え!と叫びながらポーランドへ帰郷するというようなテイストの映画だった。僕も日頃から物語なんかいらないと考えているので多いに共感したいところだった。物語無用物語無用、しつこく繰り返すと煙たいような顔をする人もいるが、ほんとに苦手なんだ、赦してほしい。


2月5日(水)蓮根クッキィー/素敵ツール

 今日は年休でおやつにクッキーをいただいた。何が入っているのかというと、蓮根なのだった。蓮根クッキーなのだった。どこでこういうレシピを見つけてくるのか。蓮根が入っていると、言われないとわからない。食感のおもしろいクッキーだった。蓮根のように穴を開けてみるとおもしろさ割り増しであろう。
 OpenMenu 発見。FinderPopとTool Launcher を合わせたような心地だ。両方を愛用していた私としてはこれを使わぬ法などないというわけで緊急レジストレーション!Tool Launcher もOpenMenu も同じ作者さんだった。素敵ツールを私も編み出したい。


2月3日(月)軽蔑

 映画をみたいような気分がにわかに盛り上がり、新聞をぺなぺなとめくってみるに、みなみ会館でゴダールの『軽蔑』がかかっているではないか。それも晩方から。みたことあったっけ?まぁあってもなくても同じことか。「アサコさん、映画なんかどうかね」「こんな晩方から嫌ですよ」妻にふられたのでひとりで出かける。遠いなぁ。次は映画の近くに引っ越してみようか。
 みなみ会館の座席シートがふかふかになっていて(前もそうだったっけ?)、こんなにふかふかだったらオールナイトもラクチンだなぁと思っているところへ映画が始まり、くかー、寝てました。時折目覚めては、ブリジット・バルドー別嬪さんねぇ、くかー。


2月2日(日)幸せ

 幸せになれるような気がして、メモリを増設してみた。幸せになれただろうか。大人になったらお金なんかすぺすぺ使えると思っていたのにそれは大間違いだった。こづかいもないこんな日々に、なんで突然メモリなんか増やしてるんだろう僕は。幸せになれただろうか。もっと大きい画面があったら、もっと幸せになれるような気がする。いっそどうか17インチアイブック。
 今日も静かな寒い一日だった。風に雪が舞った。晩ごはんに食べたアジのひらきがおいしくて、あぁこれは確実に幸せ。日曜日は幸せ。


2月1日(土)ほしまるさん

 ほしまるさんという人からこんばんはというメールがきて、ついにきた、コスモ星丸からメールがきてしまったとおそれおののいたのであるが違った。あなたのともだち〜が頭を巡ったが違った。筑波からではなかった。今からちょうど一年前に受けた試験で一緒だった、地球人のほしまるさんだった。試験ってのは二泊三日の出張で実働10分だったやつ。僕が参加しそびれた訓練に参加しているのだった、現在のほしまるさんは。寒い、らしい。11月でも寒かったものな。参加しそびれた訓練に参加せずに参加した訓練に参加できたことを僕は幸運だと考えているが欲を言えば参加しそびれた訓練にも参加してみたかった。訓練の内容に興味がある。しかしこの、いま現在のモラトリアムに居心地の悪さを感じているかというとそうでもなく、昔からモラトリアムは得意であったし、永遠にモラトリアムでもいいよとも思う。あ、でもやっぱり、ちょっといやかも。ほしまるさん以外にもよしゆきさんが書いてくれていて、実はどの人がよしゆきさんだったのかよく思い出せないのだった。もしかするとほしまるさんもよしゆきさんも、どの人がハリンさんだかわからずにメールを書いているのかも知れない。
 お誕生日のプレゼントに腕時計を買ってもらう。魚の絵が描かれている。リアル誕生日まではおあずけ。ビブレ跡地に新開店のロフトを冷やかして、寺町でパワーブックを見た。触った。意匠的にはアイブックのほうがすぐれている。よっておそるるに足らず。スペック的にもすごいの?よくわからなかった。よっておそるるに足らず。買わん。

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