暮れる年も(2002年)


12月23日(月)クリスマスケーキ

 パパジョンズのチーズケーキを。真に美味と思われるのは最初の一切れで、ここでやめられる状況にあるのが曇りのない幸せなのだといえる。微妙に曇りのある私は4分の3を食べて、さすがに苦しい。若いときはそんなに苦しくなかった。パパジョンズを初めて食べたのは友だちが大徳寺に住んでいた頃、船岡山にあるサンドイッチ屋さんで出されていた。現在もやってるのかな。その友だちが引っ越してしまった後には休んでいることが多かった。またしても、「今はもうない」?


12月19日(木)連続

 PK!さんとIさんが職場に現れる。予告されてはいたがうろたえる。うろたえるも外に出てしまえば大丈夫だ。ちゃんと連続している。仮に錯覚なのだとしても、事実であることに違いはない。はずだ。


12月17日(火)気ままにくらす僕らをせめないで

 阪急といえばあずき色。梅田と呼ばれる巨大駅ステーション。繁く華は東通り商店街なのだという。はずれていくほどあやしげな立ち並び、同窓会。2週間ぶり。楽しかったというか会えてよかった。やはり世界は連続している。髪を切った人の多かったのがおかしかった。自分まで髪を切った人なのがおかしかった。一ヶ月という訓練期間の絶妙を思い知る。まがる順序間違えて最終のバスに乗り損ねた、ってのはウソで新快速で帰ってくる。『ハルチン』借りて読んだよ(サンキュウ!)、90年代半ばだ。そういう間合いだ。それから月曜の日付けを間違えていたので修正しました。


12月16日(月)これ以上何を

 ふぐ料理的なふぐ料理を食べさせるふぐ料理店にて忘年会。長がいう「仕事のことは忘れて…」。すでに忘れていた。オレは何だったか忘れていた。これ以上何を忘れればいいのか。ものの名前とか出身とか昨日の晩ごはんとか忘れた。この道がどこへ行くかなんて忘れた。君が素敵だったことも忘れた。昨日の晩が牡蛎のグラタンだったことも忘れた。育児休暇中の先輩(来年の一月下旬に明ける)が私は絶対に不倫しないと言って、あぁそうなのかと思った。


12月14日(土)健康優良児

 慣れぬことをして人生で何度目かのこんな気持ち。そしてそれとは無関係に妻は風邪をひいたようだ。熱があるといいながらいつもどおりの食欲でもって食事をとっていた。いつもどおりの家事をこなし、私の出る幕は無かった。こんな時ぐらいは寝ていればいいのに。彼女には病気というイベントが似合わない。可能性として。おやつとかいってグリルであぶった干しいもを4枚、5枚、6枚目。


12月12日(木)準備をな

 年休ってことで買い物に出た気。新風館が微妙に変わっていた。ヴィレッジヴァンガードの書籍面積は徐々に小さくなって。バルで泡立てるためのミルクピッチャが見つかった。探してたの何年前だったか。次の週末はカプチーノ。珍しく今日は紅茶を飲んだ。午後。フジイダイマルでくつをみて、かばんをかった。靴を見て鞄を買った。持ち手のところが黄色くて。この黄色には視覚的にも食欲的にも弱い。好きな人の頭を口の中に入れたくなるのに似ている。仕事用なので買ってもらった。仕事用っていうと買ってもらえるので、ねだりのときは何でも仕事用だ。店員さん好印象。靴は依然として懸案事項。黒。できれば指のひろがるやつ。
 湯たんぽを入手。湯はそれこそ湯水のようにわくのだ。ストーブに薬罐のっけてたら(加湿用)。冬ってば寒いけど楽しい。夏が暑くても楽しいのに似ている。スキーも海もやらないけどね!


12月11日(水)サブレー

 ほんとうに毎日、鳩サブレー食べてる。確かにおいしい、だが毎日である。鳩をモチーフになにかつくりたいと思ってつくったのが鳩サブレーなのだと。こういうセンスが素敵だ、だが毎日である。今なら平和賞だって取れる気がする。


12月8日(日)MMK

 餃子だった。食べ物といえば餃子のことばかり書いているような気がする。白菜とニラとひき肉と。
 二村ヒトシという人の書いた『モテるための哲学』(幻冬舎文庫)を読んで、自分がなぜ今までの人生もてなかったのかを知る。そしてなぜこの本をオレに薦めるのか相棒。こんなもの読んだら、もててしまうぞオレは。もてたい男子必読です。
 サバノワはじまって以来の大ピンチ。ていうか早く気づけよオレ。こんな種類の赤裸々告白はもっと別の局面に取っておきたいのだが、インターネットと非インターネットとが交錯する中で、赤裸々告白への誘惑はどうにも抗いがたく、次のバージョンちゃんと出るのか微妙です。ごめんなさい。なるべくに出す方向で進めたいと思います。


12月7日(土)カレーライス

 カレーだった。カボチャがあるのでカレーかグラタンかどっちがいいと選択を迫られてカレーと答えた。訓練の最終日に食堂で食べそびれたことを思い出した。カボチャは煮込まれるのではなくバターで炒められて、つけあわせとしてつけあわされた。辛い。カレーは辛い。食べ物といえばカレーのことばかり書いているような気がする。うちに猫はいないが、エンケンのカレーライスを歌いながら。私にもはやくくれにゃ〜って。


12月3日(火)鳩

 一ヶ月ぶりに自転車で北山通りを西進すれば、つぶれた本屋がビーズ屋に、コンビニ屋が眼鏡屋になっていた。なっていた。久しぶりに出勤して出勤簿にハンコをおした。為替と手形と現金とが飛び交い、怒声と怒号と怒濤とが入り乱れ、愛と笑いと友情とが生まれては消え生まれては消えするなか、私は齧歯類のように鳩サブレーをかじっていた。かじっていた。


12月2日(月)バスに乗って

 予告どおり大原へ。7年ぶりぐらいではなかろうか。最後に訪れたときにはまだ学生であった。一泊5千円で牡丹鍋の出る宿だった。蛍を見た記憶と雪を蹴った記憶とが混じるがどちらがどうであったか。高野川に蛍、寂光院に雪。今日は先輩の職場と三千院とを巡った。厚着してったら暑かった。落ち葉を踏みながら歩いた。手をつないでやろうと思ったが、何となく失敗に終わりましたよ。

prev | list | next