11月は日曜日(2002年)


11月30日(土)いつもどおり

 いつもどおり7時に起こされた。11時に買い物へ行き、パパジョンズでクリスマスケーキ予約。エッグノッグチーズケーキにしてみたよ。ブランデー入ってるけど大丈夫か。大人だから大丈夫か。カウンタにアイブックが二機ならんでいた。午後には荷物が届いて研修後始末。散髪したり自転車をみがいたりトウキョウバナナをいただいたり、いつもどおりに暮れていくのは日曜日だったかも知れない。すでに師走なのかも知れない。明日は大原までバスに乗るのさ。年休。


11月29日(金)阿房列車ふたたび

 訓練おしまい。みなの顔を盗み見ているうちに発見した、僕は涙腺がゆるいだけなのだ。泣かない人は、ただ泣かないだけなのだ。悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのではなく、心と身体はひとつであり、どちらも原因ではないし結果でもない。感情がある、涙あふれる。それだけのことなのだ。てなわけで淡々と泣いてみました。ほんとによく泣くようになったと思う。もういちど書こう、もろいのではなく、ゆるいのだ。
 などと照れ隠しを打つあたり、ほんとに照れくさいものがあったのであろう。今回の生活にはオフ→オン(企の人々)、オン→オフ(びわさん)と、双方向の流入があり、明確だったインターネットと非インターネットとの区別がいよいよ曖昧になってきた。世界は連続している。
 なぜ帰るのか。どこに帰るのか。よくわからないままひかりに乗った。もう二度と京都を離れることなどないだろう。どんな人事があろうと僕は京都に居るだろう。そういう役回りを引き受けるだろう。連れがあると列車は速い。京都に着いたらさよならの手を振る。さよなら。

 (補足)オフ→オンには、インターネットデビュするきっかけをくれたまりも嬢がすでに(例外的に)該当している。インターネット先生である。だけど最近インターネットやってないって言ってた。インターネットやってくれたまえよ。ポスペ3も出るぞ。出てしまうぞ。


11月27日(水)現実と非現実

 てなわけで某Nさんはかなり嗜好の接近していることが判明。こういうときに思うのがなぜ自分は男なのかということで、この「こういうとき」ってのもかなり久しぶりの事態で戸惑っております私。体言止めを続けてしまうのも混乱している証拠。出るべくして出た名前が出た折に泣かなかった僕はずいぶんと大人になった。以前は泣いていたと思う、あんな状況では。特に珍しい嗜好でもないのだが恵まれぬ出会いに恵まれて泣いたものだ。何を書いているのだと罵られようと書くことのできるのは、現実と非現実とが交じり合っているからであろう。ほんとうにここは、非現実に傾いていると思う。ありえないよそれは。


11月23日(土)楽しかった

 自由解散の熱海帰り。若い二人(といっても同い年なのだが)が、いい雰囲気で座っているのをみて、僕ら(二人男、三十少し前)はぼんやりとした幸福に包まれたのだった。あんな気持ちになったのは久しぶりだ。忘れてた。二人で二人に感謝した。
 藤沢から江ノ電に乗った。江ノ島で降りて江ノ島へ。並んで歩いてくれたすべての人にありがとうといいたい。手をつなぎたくなったり、曖昧な言葉で話したり、昔は得意だったようなことが現在でも得意なのだと確認できた。ような気がした。楽しかった。横浜で中華食べた。たくさん笑った。現実にはあり得ない写真が撮られたり、つまり現実ではなかったのであろう。
 こんなことがいつまでも続くとは思えない。続かないからこそ現実なのだと思う。うれしいことがあるとすぐにウソだと思う。そういう性分なのだと思う。性分だから仕方ないと思う。仕方ないのが現実なのだと思う。「このままこんなふうにして、うまく雨をよけながら風を追いかけながら」と引いてくるのはいつだってBだろう。
 うとうとして肩を叩かれたとき、向かいの車窓に広がった海は少なくとも非現実であったと。

 それから『るきさん』はほんとにほんとに拾い物でした。Nさんありがとう。これからも素敵なものをたくさん拾って生きてゆきたいと思ったよ。


11月22日(金)親善旅行

 熱海を訪れたり訪れなかったりした。温泉につかったような気になった。眠っていたし、暗かったし、何が何だかさっぱりわからなかった。バスに乗っていた。あるいは列車だった。富士山をみた。幻だった。海に近寄ろうとはしなかった。赤くなったり青くなったり、忙しいような、まったりしたような、こころのありようだけを記述するとそんな具合だった。


11月10日(日)知らない町

 暖かい朝は起きられない。早朝練習を7時からやるといわれて来なさいとはいわれなかったが行きますといった。起きたら8時であった。
 知り合ってからは長いです。会えなかったらどうしよう、そんな種類の待ち合わせ、日曜日お昼過ぎ。


11月2日(土)ひとり自転車

 目的はなかったが行って戻ろうと国分寺まで借りた自転車に乗って。恋ケ窪というところに出て国分寺はどこですかときいたらあなたが来た方角です、そちらにあります。と。確かにそちらにありました。ボールペンを一本買って駅前の交番で私の方角どっちですかときいた。念のため。
 同室の人たちが彼女や恋人と電話で話すのをちらりはらりと盗み聞きしては、なんだかこういうのは長らく忘れていた感情だと、ひとり勝手にときめいてみたり。妻に電話してみようかと思ったがそういうのはやめた。


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