2001年(11月/10月)


11月28日(水)クー

 映画でも観ないとやり切れない気分になり、みなみ会館にて不思議惑星キン・ザ・ザ。なぜあんな乗り物が空を飛ぶのか。重力?ていうかクー?観てない人は観てほしい。それから地球のクロスナンバーくらいは言えるようになっていてほしい。サントラもこれどうよ。クー。


11月25日(日)内部事情

 いよいよ「クラシック環境」というものを意識してかからねばならないような気がしてきたので、OS9.2 をインストールしたのである。前回インストールしたときには起動が不安定だったり、変な音がしたりしなかったりしたので、しばらくして9.1 に戻した。ふたたびの9.2 である。今のところはすこぶる快調、要らぬバーやパネルは捨てた。問題はOS X である。OS X における開発環境である。なんとかにキチンタイマーのカーボン化を果たしたのであるが、ほんとにあれでいいのか。アイコン貼り付けからしてが2時間ぐらいかかった。ビルド自体はリアルベーシックの仕事なのでどうということはない。OS 9 上でビルドして、OS X でアイコン貼って(結局どうやって成功したのかはよくわからない。気がついたらアイコンかわってた)、はたまた9に戻ってドロップ圧縮。面倒なことこの上ない。他ソフトやなんかをみるにディスクイメージが多い。それが作法なのか。もっとも悩ましいのは西瓜糖がリアル3ではビルドできないことだ。リアル3が悪いのかオレが悪いのか教育が悪いのか政治が悪いのかまったくわからない。文字がさまざまな局面で化けてしまう。化け文字である。ん?文字化けか。なぜ猫が化けると化け猫なのに、文字が化けると化け文字ではなくて文字化けなのか。猫化けではないのか。化け犬化けハム化けおやじではないのか。化け化け言ってると、バケってことばがいかにも嘘くさくなるから不安だ。バケでいいのか。じつはケバではないのか。むしろゲハなのか。ゲバであるべきなのか。文字ゲバなのか。文字ゲバルトなのか。暴力なのか。暴力は危険ではなかったか。ヒラもカタもカナはカナじゃないか。カナ同士仲よくしようではないか。仲よくなったところで話を戻すとリアル3でビルドできない西瓜糖であるが、リアル3でビルドできないということはすなわちカーボン化できないということであり、すなわちOS X では動かないということである。動かんではないが文字がデタラメだし、どうする?ぜんぶ英語で書く?ローマ字日記?アスキーコード?
 ココアなのか。ココアでいくしかないのか。ココアはやっぱり森永なのか。本にらみながらサンプルコード打ち込むも、全然思い通りにならないし、友だちの家でさわらしてもらったファミリーベーシック、マリオうごかねぇ、全然うごかねぇ、そのときの気持ちがカムバックなのである。マリオとかレディとかがてけてけてけ(推定)って右から左へ走るだけの何かベーシックプログラミンであったが、どないもこないもうんともすんとも言わなかった、あれは何時間かかったのであったか。あの時マリオが動いていれば、今ごろ私は最強プログラマへの道を歩んでいたかもしれない。ハリマックとかハリンオーエスとかを編み出して、巨万の富を得ていたかもしれない。ハリクロソフトが世界を席巻、他会社を駆逐、公正取引委員会に独占禁止法違反で逮捕されて、懲役100年!えー、100年も!そんなのはイヤだ。長すぎる。動かなくってよかったマリオ。
 それはさておき。大文字を小文字になおしたり、旧字を新字になおしたり、誤字を脱字になおしたりしているうち、ついに!動いたー!やったー!うれしさあまって妻を抱きしめようとしたが、包丁を握っているので物騒なことこの上ない。サバを抱きしめようとしたが、ふかふかおふとん(ていうか綿)でお昼寝中なので不機嫌なことこの上ない。ひとり喜びを噛みしめつつ、ワインで祝杯をあげるのであった。はい、ワインはウソです。要するに何が言いたいのか、オーエステンはまだまだ遠いっちうことです。ファーラウエイっちうことです。


11月22日(木)訓練

 月曜日から訓練で奈良山中に在った。JR奈良線という名の列車に、ゆらりゆられて二度目である。奈良線という名の列車に乗るのはこの生涯でたったの二度である、と言いたいのである。さらにパス。何バス?そんなことは忘れた。
 初等忍者からの脱却を図るための訓練であり、われわれ特殊忍者だけでなく普通忍者達も多数参加していた。特殊忍者と普通忍者とは同じ忍者であるにかかわらず、ほとんど交流がない。というのも任務形態が異なるからだ。特殊忍者は狭い地域を対象とした幅広い任務を与えられる。普通忍者は広い地域で特殊な任務をこなす。ターゲットとの直接触が許されるのも普通忍者の特徴だ。
 訓練とはいえ技能的なことは各自で習得するしかないので、忍者業界の現状と課題であるとか、共同作戦の演習であるとか、そういったことが主な内容であった。不美味な食事に耐えるという訓練も在った。朝からラジオ体操を舞う訓練も在った。昼過ぎには所歌が流れた。
 厳しい訓練、われわれは常に神経を研ぎすまし、寝ているとき以外はほぼずっと起きていた。ときには謀った。謀られたものは脱落した。味方など存在しない。味方だと思ってはいけない。謀られ葬られる覚悟ができたとき、すなわちそういう相手が現れたとき、認めることができよう。味方とは信頼できる相手ではなく、信頼などというものを無効にする空気のことだと知るべきだ。それから宿題が早くに済んだからといって、町田康などを読んでいてはいけない。笑うな。芥川賞だって図書室に『きれぎれ』。
 やはり僕はしゃべりすぎた。そしてまたしても肝心なところでしくじった。いつだってそうだ。右か左か常に僕は、誤ったほうを選び続けるのだ。
 それから念のため断っておきますが、忍者というのはひとつの隠喩であり嘘であり、実際の僕は忍者ではありません。忍者が暗躍したのは昔の話で、たぶん現代に忍者はいません。ニン。


11月14日(水)狩り

 午前中は床屋へ行き、紅葉情報を入手。お昼からぶらぶらに曼殊院へ。清水町の辺りから上った。平日にもかかわらず結構な人出であり、観光シーズンなのであるなぁと。曼殊院を横目に、隣接する関西セミナーハウスへ。無料である。人もいない。能舞台や茶室を回り、休憩所に腰を落ち着ける。ふー。某同居人が年賀状にするのだと紅葉を撮影していた。時節無視も甚だしい。花のように紅い葉であった。帰りは人気ない鷺森神社など経由して修学院離宮道を下り、秋であり散歩であり有給休暇であった。


11月10日(土)つれづれ

 明日はまたも職場試験なのである。忘れていた。いや忘れようとしていた。むしろ忘れたふりをしていた。一夜漬けなどできぬ性分であるからして以前から少しずつ勉強していたのであるが、まったくもって頭に入っていない。興味がないからであろう。興味がないにもかかわらず仕事であるがゆえに学ばねばならないのである。正直な私は「全然勉強してない」と言えず、「めっちゃ勉強しました!」と公言して落ちるのであろう。いつもそうだ。絶対大丈夫めっちゃ勉強したし!と大確信のもとに落ちるのである。なぜなのか。だいたい現在の職業からしてがそうである。3回落ちて4回目にやっと採用された。べつに難易度が高いわけでなく、ぜんぜん準備をしていなかったわけでもない。最後の面接で、去年まで3回落ちました!と白状すると、面接官の一人はとてもうれしそうな顔をしていた。その面接官とは採用後に再会した。どこかで見たことあるおっちゃんやなぁと思ってたら、君は僕が面接したの憶えてるか、と声をかけられ、はい、もちろんです。憶えていたのはほんとうであるが、もちろんです、のあたり微妙に嘘であるといえよう。ひとは嘘をつく。嘘つきは犯罪者への近道であるといわれる。嘘の少ない人生を送りたいものだ。
 サバ氏の近況など、相変わらずである。週に一度、掃除されるとものすごく怒る。本気で怖いと思う。最初は激しく抗議。「あー、また掃除した。掃除したでしょ。なんで。なんで掃除するの。ほら、また、ほら、やっぱり、掃除してるし、なんで、なんで、そういうことするの。せっかく。居心地よくしてたのに。ふかふかにしてたのに。掃除されてるし。ぬくぬくだったのに。あー、もう、なんでそういうことするかな。掃除するかな」ひとしきり暴れて疲れると、檻のすみであぐらをかき、人が通りかかる度にらみつける。あるいは、無気力姿勢(うつぶせで手足をだらんと広げ顔だけは上げている)で中空をみつめている。きっと何もかもがいやになっているのであろう。同居人は掃除趣味かつ冷酷無比なので、なんのためらいもなく掃除する。私はそんな二人を見てハラハラするのである。あとでこっそり干しぶどうなどやったりして、家庭の平和はこんな私のたゆまざる努力により保たれている。
 月見しるこというレシピ。白玉を作るときに卵黄を混ぜ月に見立てる。なるほど。
 ポータブル音楽プレーヤへの需要が突如高まりネットでソニーのMDを購入する。購入してしまう。小さい。軽い。一世代前のやつなのに。うきうきとMD編集などする。こういううきうき感は高校生の頃以来であろう。カセットテープの。なんとMDには曲名を入力できたりするのであるな。リモコンにてうきうきと入力する。携帯メールを打つのもこんな要領なのであろうかと想像してみたりする。最後の一曲を入力しボタンを押すと、Writing というメッセージが出るはずなのに初期画面が現れた。現れてしまった。入力してたやつがぜんぶ消えた。消滅した。これはそういう仕様ですか。


11月4日(日)無条件降伏

 今日のおやつは焼きリンゴであった。朝日新聞が月に一度配付している小冊子で紹介されていたレシピなのだそうだ、なんとかホテルのシェフによる。バターを熱したフライパンにリンゴを焼き、同じフライパンでカラメルソースをつくる。添えアイスはハーゲンダッツに頼った。リンゴの焦げとバター、これがまたこめかみの痛くなるほど美味でありまして、うぅ満悦。大の満悦。実は昨日も同じシェフレシピの洋梨ムースで、この舌触りがご家庭で!と驚愕していたのでありました。おいしいおやつの前に人は無力である。おそるべし、なんとかホテル(どこやねん)。


11月3日(土)夜に降る雨

 よく降る雨である。いつかは上がるのだろうか。様子を見ようとサッシ窓を開けたら、軒から白い猫がピューっと飛び出した。雨宿りしてたんやね、ごめんなさい。


10月31日(水)エチカ

 10月31日生まれの女の人は蠍座の女であることからして、今日は10月31日なのだった。現実というのは何とリアルなのか。もう絶対怒らない、どんな理不尽にも怒らないと、不断から心に留め守るべきなのに、なぜ、ダメだ。込み上げる。それも些細なことで。程度の問題ではもちろんないのだが、瑣末だ。微小だ。レンズを磨いて暮らしたいよ。
 おそろしく月の、まるい夜だ。明るくて眠られそうもないので眠らないことに決めたのである。
 考える。なぜ自分は怒っているのか、考える。原因を追う。何処までも追う。どうでもよくなる、のではなく、解かれる。解かれたひもは、梳かれた髪のように、気持ちよく流れる。怒りはおさまらない。ただ原因を知ることはできる。


10月24日(水)給料泥棒

 社内研修。給料もらって勉強できるなんて、なんて幸せなことか。これがフランス語講座とかお料理教室とかだったらもっと幸せなのだが。何をしゃべったはるのかさっぱりわからず、仕方がないのでひこうきの絵などをかいてすごした。しゃべったはることは理解できなかったが、ひこうきの絵は上手になったので、それはそれで大きな成果であると言えよう。研修後所属長に「バッチリ修得しました!」と電話報告したら「悪いねんけどな、明日出勤してくれへんか」と言われる。春取さんが人間ドックでひっかかって緊急入院なのだそうだ。考えの知れぬ、扱いに困る部下をもって、ストレス潰瘍でもできたのであろうか。たいへんなことだ。


10月21日(日)自己批判

 社内試験(またか)で京大へ。学園祭シーズンらしく、立て看板などをまじまじと眺めながら京大へと近寄った。第一部マーク式問題。開始5分で終了。仕方がないのでひまわりの絵など書いて過ごす。いささか時期外れだ。合否の分かれ目だ。第二部論述式。出題の意図からしてさっぱりわからない。問題文を理解することに失敗した。もしかすると日本語ではなかったのかもしれない。辛うじて理解できた「〜について論述せよ」の部分から今回の出題を大予測。「なぜにカレーは辛いのか、インドという語を用いずに論述せよ」と拡大解釈して、論じた。「インドという語を用いずに」という約束が守れずに(だって無理だよ)3回も使ってしまった。約束が守れないなんて、出題者もがっかりだろう。ほんとうに申し訳ないことをしたと思う。残った時間で自分を責めた。このとき自分を責めたりせずに、インドを他の語に置き換える方法を考えればよかった、と後から思った。帰りに同期の香具山さんと香具山さんの先輩と一緒になった。香具山さんも先輩もインドという語は使わなかったらしい。二人が「インドなんて使う人おらんよねー」と話していたので、僕も思わず同調してしまった。意気地無しだと思う。烏丸車庫の喫茶店で香具山さんと喫茶した。香具山さんの先輩ももうすぐ出産でお休みに入ってしまうのでたいへんだと言っていた。うちの先輩もあと二ヶ月かー。


10月17日(水)レビュウ

 オーエス10.1が送られてきた。蜜柑糖はマックサイトなので、どしどしレビュウしてゆきたい。私は本日有休で昼寝など試みていたのであるが風呂に入れと起こされた時に、マックラックの上封筒を発見した。黒猫メイル便であった。アップルは黒猫メイル便で無償アップデートCDを送付していると言えよう。封筒にはCDーROM3枚と小冊子3冊、使用許諾契約書1通、ドックについて1枚などが封入されていた。特記すべきはアップルソフトウェア購入証明クーポン(重要)が同封されていたことであろう。私はこの度オーエス無償アップデートを申し込むのにクーポンを1枚アップルに差し出した。するとアップルからは3枚ものクーポンが返送されてきたのだ。これは何を意味するか。
 現在私の手許には5枚のクーポンが存在するのである。1枚送って3枚もらう。つまり無償アップデートごとに2枚ずつクーポンが増えていくのだ。ここにアップルの新オーエス戦略が端的に示されると言えよう。どういう戦略かは未定だ。
 次に3枚のCDについて見ていきたい。一見して言えることは、3枚とも丸いということだ。しかしこのことは3枚が同じものであるということを意味しない。やはりここでは、この3枚はそれぞれ別のものであると考えるのが無難であろう。どういう目的があってどういう働きをするのかは詳細に検討しなければわからないが、アップルという会社の性質を考慮すれば、コースターやフリスビーとして利用されるものではない、と断言しても構わないだろう(アップルは否定も肯定も示していない)。
 ていうか「新しいウインドウでフォルダを開く」設定、ウインドウ好きとしてはかなりうれしい。動作、異様に素早くなったが、何かあったのだろうか。ゴミ箱は右下がいい。公園に置いてあるんてなアイコンもどうにかならないものだろうか。ドックって、どうなんだ。ただのランチャとは違うのか。Osaka Narrow はどこにいったのか。


10月7日(日)うずまき/ノックアウト

 昨日の朝刊にて『はまむぎ』が復刊されることを知り書店へと走る。大垣にはなかったので河原町まで延ばす。六つの小学校と七つの中学校を駆け抜けた。晴れと運動会の特異日であったため、六つのマイムマイムと七つのオクラホマミキサーをも通過した。河原町は繁華であった。京都市役所前では数千人規模の集会が行われていた。自転車を乗り捨て地下に潜り紀伊国屋、入り口がわからねぇ。気を取り直してブックファーストにて発見。長いこと探求書であったなぁ。ソフトカバーに少しがっかりするも、ふるった装丁です。憎いです白水社。あと500円ぐらいなら出すから、ハードカバーにしてくれんだろうか。
 小沢氏(自由党じゃないほうの)が新しいのを近々出すらしい。どういうことになっているのだろう。楽しみにしてもいいのだろうか。


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