2001年3月


3月31日(土)スピード

 自転車を3カ月点検してもらって(みがいてるので新品みたいやなぁってほめられた)、異状なし、ブレーキとチェーンをしめてもらって、久しぶりに街へと出てみたのでありました。自転車をこいでいてしみじみ思うのが、コンビニエンスストアと携帯電話屋が増えたなぁということ。前者は街中心部への進出が目覚ましい。前にはその場所に何があったのか、思い出せなくて切ない。携帯電話ってそうそう買い替えるものでもないと思うのですが、あんなにたくさんあって儲かるのでしょうか。店員さんの数も余剰気味に思えるのです、素人考えでは。ジュンク堂で文庫本を買っただけで帰りました。帰りはやっぱり雨に降られて、降られてぬれて。ぬれて帰って昼間から風呂になどつかって、こういう贅沢を許す、ありがたいことだなぁと思うのです。風呂では鮎川哲也をのろのろと読みました。隠れ探偵小説ファンの癖に読んだことなかったのよ。


3月29日(木)ためらい

 リンリン生唾ブロマイドを入手すべくCD屋さんを訪れた私の目に、そう私のまなこに飛び込んできたものは、ここでこの話題について触れるのはいささかのためらいがあるのではございます、岡村靖幸(イージーブリッジ一発変換)の「ベスト盤」でありました。なぜ、この、微妙な。私自身ベストは「家庭教師」であると確信しておりますので(岡村の、ではなく、20世紀の、)、買うてしまうようなことはございませんでしたが、膝の関節を抜くには十分な、ていうか微妙な衝撃でしたよ。ていうか新しいのが聴きたいなぁ。ていうか聴きたくないなぁ。むー。「オレなんかもっとがんばればきっと女なんかジャンジャンもてまくり」ていうセンス。


3月25日(日)春

 ほぼ一日寝て暮しました。夜は豆ごはん。豆とごはんを別々に仕立てる、分離炊きあげ方式の豆ごはんでした。あざやかな緑にうれしくなったものです。


3月24日(土)春休み映画大会

 ヌーベルヴァーグ4本立て、みなみ会館にて。前半は目を開けると映像が動いている理想的な展開だった。後半は・・・。ゴダール(『勝手にしやがれ』と『女は女である』)は寝ちゃってもよし、と思ってたのに、シャブロルの二本(『美しきセルジュ』と『いとこ同志』)で寝てしまいました。後ろのカップルが「よくわかんなかったねー」と話していたのでよくわからない内容だったのだろう。映画的なことはよくわからないが、ゴダールの方は単純に視覚的聴覚的におもしろいので、まぁ何度みたっておもしろい。映画館を出ると雨が降っていて、ぬれて帰りました。


3月20日(火)そういう日和

 朝のうちはマックに向かい宿題をした。一人なので昼にはカルボナーラをつくる。そういうものを食べたいときがあるということだ。春の麗らの陽気に散歩でもと思ったのが午すぎ。身の軽いジャケツを羽織り玄関でスニーカーの紐を緩めにしめているとサバが「つーれてけー」、オリをたたいているので連れてってやることにする。シャンプーの紙袋にサバをつめ猛犬注意の門前を忍び足で切り抜け道路を渡り川へ出た。
 日なたぼっこする人たちのすき間を見つけて土手に座り込む。ポケットから文庫本を取りだし読みはじめた。こういう陽の下で読むには後ろめたいような種類の小説であった。サバは袋の中でごそごそ動いている。出してやりたいのはやまやまだがトンビやら犬やら小さい子どもやら、外には天敵がたくさんいるのだ。サバは箱入りゆえそういうことを知らない。非常に危険だ。日光あんまし当てちゃいかんってハムスターハンドブックにも書いてあったしさぁ。何だか落ち着かないので早々に退散、部屋の中で放って遊びました。中とはいえサバにとっては日常世界の外。何に警戒してか、ほふく前進をしてはりましたよ。


3月18日(日)自分がわからない

 さて私は REALbasic というソフトを用いまして、in Watermelon Sugar などを作成しておるわけですが、このソフトで扱われております言語は名の通りベーシックでありますゆえ、非常に分かりやすい。単純かつ明快。平穏かつ無事。ドラッグかつドロップ。で、あるにもかかわらず、後から見て何じゃこりゃというような記述が散見するわけです。これ書いたの誰ですか。このとき筆者はどういう気持ちだったのですか。他人に理解させようという配慮がありますか。
 まぁこういうのはいいのです。寝て起きてもう一度検分して「はっ!!」と理解したりするものですから。たちの悪いのは手帳です。何気なく開いたページに書いてあったりする。

  耳。耳たぶ。壮大なスケール、耳たぶ。

 夢ですか?これ書いたとき寝てたのですか?まぁ実際のところこういうのは眠る直前に書いていたりします。書いたという事実は存外と覚えていたりして、よけいに惑わされたりするのです。映画でも撮る気か。


3月11日(日)苺大福

 今日のおやつはあまりにも美味過ぎたのでここにレシピをご紹介する次第であります。二月某日(忘れた)の朝日新聞よりの転載です。

<苺大福の作り方> 材料(10個分)  上新粉40g、白玉粉80g、砂糖60g、水230cc、苺小10粒、白餡200g、片栗粉適量 (1) 苺のヘタを取る。苺先端4分の1ほどを残して(理由はあとでわかります)餡で包み、丸くする 。 (2) ガラスボウルなどの耐熱容器に、上新粉、白玉粉、砂糖を入れ、水を少しずつ注ぎならが、泡立て器などでなめらかになるまで混ぜる(かなり水が多いように思えますが大丈夫です)。 (3) (2)にラップをかけ、電子レンジ(600ワット)で加熱する。1分半〜2分ほど加熱してレンジから取りだし、へらで全体を混ぜる。これを3回ほど繰り返す(計6〜7分)。粘りと透明感が出てくればよい。 (4) バットに片栗粉を敷いておき、熱いうちに生地をとりだす。(1)の苺を生地で包む。苺の赤を透けさせるのが肝。
 がわがおそろしいほど柔らかいです。二日目でも柔らかいらしいです。未確認です。うちは漉餡でやりましたが、見目の麗しさを求めるのであればやはり白餡がベターかと思われます。材料がちょっと多めだったので、12個作りました。相棒が3個しか食べなかったので、9個食べました。断罪してください。
 このおやつを発明した人はほんとにすごいと思います。80年代半ばに東京のお菓子屋さんが作ったそうです(うろおぼえ)。私がノーベルだったら迷わず平和賞をあげます。


3月10日(土)三文小説/チタンパワー

 みなみ会館で「はなればなれに」を。映画など観るのは久しぶりで、最後に観たのは何であったか。以前ならチャリンコでいったところであるが、京都駅まではバスに乗り、フラット近鉄のソフマップでチタンパワーブックとアイマックを見た。薄っちい。それからやっぱり柄マックはどうかと思ったよ。パワーブックの2400が欲しいのであるが、やはり人気なのか10万ぐらいの値がついていた。アイマックより高いし。ポータブル式のコンピュータが欲しいのだ。小さくて安くてマックオーエス8が動けば何でもいいのであるが、これが存外と難しいのであった。いっそバイオあたりでマックオーエスが動いたりしないだろうか。意匠は高値で買うものであるし、求めるのが安さなのであればウイン機でもよしとすべきだろう。そう、ウイン機でも構わないのだ、ただマックオーエスさえ動いてくれれば。京都駅からは歩いて、九条油小路の歩道橋を渡った。前に見た映画もアンナ・カリーナだったように思う。思うが何だったか忘れた。この「ちょっとお馬鹿さん」な感じはどうすればいいのだろう。かなわねえ。私のような「かなりお馬鹿さん」には望むべくもないことであろうか。


3月8日(木)通夜

 上司の父親が亡くなり、その通夜に出る。先輩の車で会場へと向かった。先輩は一児の母なのであった。予定よりも早く着いて、上司の家族に会い、娘は上司に、息子は上司の夫によく似ていた。親子だから似ているのであろう。帰りも先輩の車に同乗させてもらい、うちまで送ったんで、と言われたが職場で降ろしてもらった。職場に自転車を置いていたのだった。先輩は別の上司を送って帰っていった。さよならと手を振って。前回通夜に出たのは一昨年で、そのときには前々所属長が亡くなった。僕は黒いネクタイを買った。
 葬式があるのに誕生式がないのはなぜか、というのは三浦俊彦の『離婚式』だったであろうか。三浦俊彦は難しすぎてほとんど理解できないのである。僕や相棒は、あらゆる儀式を回避する。結婚式も成人式も葬式も。遺言状にそう書いてあるのだ。興味がないので読んでないが、相棒の遺言状は葬式を避けて遺体を焼き、散骨するまでの手順を説明している。その封筒は通帳や証書と一緒に抽斗へ仕舞われた。一方僕はまだ遺言状を書いていない。死にうる年齢に達していない。僕らがあらゆる儀式を回避するのは、阿呆らしいとか面倒だとかそういった理由からではない。遂行する能力を欠いているのだ。結婚式もしたかった。でも、嗚呼。ダメなのである。資質がなかったのである。だからもし僕が死ぬまでに、相棒の儀式力が高まったなら、ぜひともに盛大なる葬式を執り行って欲しい。保険や貯金や遺産をすべてつぎ込んで欲しい。寄付だとか献体だとか臓器提供などもっての外である。だがおそらく儀式力など高まるはずもないだろう。そればかりか、僕の方が長く生きるであろう。僕は長く生き、己が儀式力の貧困を嘆き涙にくれて、遺言を実行するであろう。遺言遂行能力はいやがうえにも高まっているだろう。僕らが旅に出る理由というのは、つまりそういうことなのだ。


3月3日(土)スマート化

 突如思い立って、ホームページの手打ち再構成を試みる。当たり前といっちゃあ当たり前、おそろしいほどの不要タグが現れた。削除削除。スタイルシートの導入をも同時に検討したのであるが、未対応ブラウザの存在や、買ってきた本にあまり詳しいことが掲載されていないことなどを受けて、先送りすることにした。ていうかいまいちよく分からなかった。HTMLってのはあくまでも、テキスト構造や修飾情報を記述するための言語なんだねぇ。テーブルの使い方なんて完全に誤っておりましたよ。それからPNGの表示に時間のかかっていたのも、ページミル氏の仕業であることが判明した。プラグインを呼び出すためのタグが挿入されていたのだ。何だかよくわかんないよー、助けてプラグイン!だったのだ。あまつさえ、OS9.1 には、ウインドウ、というメニューの追加されていることまで判明した。


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