2000年10月


10月29日(日)とにかく歩いた

 散歩がてら北区図書館へ。散歩なので当然徒歩で行きはよかったのだが、帰りにわかにしんどくなって、相棒の歩みについてゆけなくなった。もとより相棒は男の僕からみても健脚かつ早足、ていうか競歩ですか?というような具合であり、高校生のとき男の子とデート中、ふと気がつくと脇に相手がいない、どうやら人込みでまいてしまったらしい、自分より足の遅い男なんて気持ち悪い、というわけでさっさと一人で帰ったという逸話を残しており、端的に言うと鬼ですな。僕も高校生のときなら捨てられていたでしょう。いやーよかったよかった。いや?捨てられといたほうがよかったのか?結果オーライ?まぁそれはおいといて、今日の僕は少し風邪気味であったのでした。関節痛。相棒いわく、女の子の足の遅いのはかわいい、らしい。意味不明。
 相棒は若い男よりも若い娘が好き。僕も若い娘が好きで、若い男は好かん。相棒の「若い娘が好き」というのと、僕の「若い娘が好き」ってのは、ほとんど同じ文脈の「好き」であるような気がする。好みは微妙に違うが、「好き」の種類は大差ない、ように思える。はたしてどっちが変態なのか。


10月28日(土)かならず雨

 本日は某M嬢とのあいびきで、あいにくのお天気でした。伊勢丹でお昼食べて四条、河原町で買い物してお茶を飲んだ。おみやげのシュークリームも食べた。パイ生地で美味。京都にもできないかなあのお店。バルの近くのカフェ(そう、名前はいつだって覚えてない)で、カプチーノを飲んだ。匙で泡をすくおうとしたときに、僕は既視感に襲われたのでした。この泡には憶えがある。
 カプチーノを飲みたいと思って、お茶を飲もうと提案したのです。その時点で僕はすでに、カプチーノの原型とでも呼ぶべき、不特定のカプチーノを思い浮かべていて、あれはいつどこで誰と飲んだのであろうと、いろいろな局面を想起するもしっくりこない。あれはニセのカプチーノであったのでしょう。べつにカプチーノでなくたって構わない。いや、カプチーノでなければならんのか。カプチーノにより象徴される何かを象徴するようなものであれば、カプチーノでなくても構わないが、カプチーノ以外にそんなものが存在するのか、とぐるぐる考えているオレを激写。いいなぁデジカメ。でもオレの写真などオレはいらんぞ。
 某M嬢とかいって別に伏せることはなくまりも嬢なのでありますが、オンとオフとの双方で知っているのは彼女だけで、オンとオフとでは別人格の僕としては何だかおかしな種類の照れがあるのでした。もともとオンがオフになったというのならたぶんそんなことはないのでしょう。オフがオンになって時々またオフで何かお前ちがうやんけ、のような。ひー、ごめんなさい、のような。やや過剰気味の自意識で。


10月27日(金)窓の外では林檎売り

 さむい。冬だ。冬生まれのオレとしては冬歓迎なのだが、さむいのはいやだ。サバもぶるぶるふるえている。ヒーターを設置してやらねばな。今週は日曜にテストーがあったり繁忙期を前にした超勤があったりで長い一週間であった。仕事のことで上司不信に陥ったりもした。元より理念など持ち合わせていない僕ではあるが、筋がとおっとらんちうか一貫性のないというか矛盾したようなことはどうにも我慢ならんですよ。誰のための事業やねん。サバはこんな真夜中にカーッとあくびをして、一体いつ起きていつ眠っているのかよく分からんやつだ。だけどそれは僕だって同じことなのだろう。論理の全く通用しない世界で論理を吐き続けるのであろう。論理と非論理と、どっちが好ましいかっていうとそれはもう圧倒的に非論理なんだけどね。


10月20日(金)ボーリング

 来月、職場対抗のボーリング大会があるのでその練習も兼ねてしょうざんでボーリング。前半は200ペースなのに、終わってみると88点とかで謎。ルールが変わったとしか思えない。そもそもストライクとかガーターとかの概念からしてよく分からない。ボーリング場の貸しボールはやけに重くて、12と書いてあったのでたぶん12キロなのであろう。チームの勝利はオレの右腕にかかっていると言っても過言ではない。チームメイト達は、無理するな、ジュースを買ってきてくれ、わたしアイス〜、チョコミント〜、とねぎらいの言葉をかけてくれた。


10月19日(木)見送り

 相棒がいちばん早く勤めに出るので、サバと僕とで見送りをする。いってきます。いってらっさい。僕は自転車で10分のところに勤めて、僕が出るときはサバが見送る。いってきます。いってらっさい。見送りはかなり眠い。あくびをしながら、いってらっさい。


10月15日(日)やきもち焼きのもちづくり

 散歩かねがね上賀茂神社へ。西賀茂に住んで10カ月になるが、はじめて神馬堂のやきもちを食べる。やきたて非常に美味。焦げ目具合絶妙。そういや初詣も下鴨神社だったしたまにはねーと、参拝した。バイトで正月三が日に古書を売ったがあれは何年前のことだったか。全く売れなかった。オレのバイト代分すら売れなかったような記憶がある。帰りはなぜかしりとりになり、「る返し」の案外と存在することが判明した。例)ルール、ルイ・マル、ルノワール。


10月13日(金)鯖男

 ハムスターの名前がサバに決まった。サファイアブルー(青)、だからサバ(青)、と、相棒が命名。硬派路線のオレとしては、こころのなかで、鯖男(サバオ)と呼んでいきたい。魚編に青いと書く、サバだ。相棒がサバサバ呼んでいるのを聞いて、なんだ?にわかリセエンヌか?そんなかわいらしい声色はダメだ。あくまでも鯖男だ。サバにオトコで鯖男だ。当の鯖男は回り輪に寝そべってアンニュイな雰囲気、フランス女優を気取るつもりか。
 というような日記をアップして、インターネットサーフィン(って最近は言わんのか)つまり波のりをしていたらまりもさんのページで月の話をまりもさんがしておられて、そうだ月のことを日記に書こうと思っていたのだ。今夜の月は異常に大きい。クレーター丸見え。そして黄色い。かなり柑橘系。オレはむしろ青よりも黄色がやばいのではないかと常々思っていたのだ。やばいって何が。
 サバはやめて、にぼしにします。勝手に。「にぼしはほんとににぼしが好きだなぁ、ハハハ」てなセンスで。


10月12日(木)ハム九郎

 ハム九郎(九官鳥、ものまね得意です)ににぼしをやっているのがバレて、相棒から激しく叱責された。なぜバレる。ハム九郎(九官鳥、ていうか早く決めてやれ)は相変わらず暴れまわっています。にぼしで釣れるのがおもしろい。おもしろいけど叱られるからもうやらない。


10月10日(火)ハムよし

 昨日はハムよし(フォーク歌手志望、4畳半一間、上京三年目)ににぼしをやったのです。そしたらたいそう気に召したようで、ケージに近寄るたびに、にぼしを寄越せここから出せとがちゃがちゃうるさい。たったの二日で慣れたと思ったら途端ずうずうしくなった。指を寄せるとかみついてくる。両手でがしっと掴んでかぶりつく。仕方がないので相棒の目を盗んで、ダシ用のにぼしを冷蔵庫から出してきてやる。ハムよし(フォーク歌手志望、4畳半一間、上京三年目)はすると頭からガジガジと噛ってブルブルふるえた。もしかして中毒?にぼし中毒?略してニボ中?悪いもん教えてしまっただろうか。ハムスターってもっとおどおどかわいいもんだと思っていたが、かなり獰猛だ。ハムよし(フォーク歌手志望、4畳半一間、上京三年目)はかなり凶暴だ。にぼしをやったのが間違いなのだろうか。ひまわりの種でよかったのか。


10月8日(日)ハム男

 河原町にてお買い物。阪急にドゥが入っていた。変わらずの良心的。相棒が珍しくセントジェムスのセーターを衝動買いしていた。ポイントのたまったタワレコードでサニーデイの新しいのを買って、河原町ビブのニムスでジャケツを購入。お洋服買うの久しぶり!ていうかこづかい制度反対!
 それからうちにハムスターがやってきた。名をハム男(仮名、オス、年齢不詳)という。オレは生き物など金魚と昆虫ぐらいしか知らないので勝手がわからずびびっているのであるが、相棒は幼少のころからウサギやらイヌやらカメやらインコやら、つまり猛獣使いなので、手際よくケージを組み立て、ハム男(仮名、オス、年齢不詳)を引っ越しさせていた。ハムスターも経験あるらしい。寒さでカチカチになったハムスターをぬるま湯で戻したことなど、おもしろくもなさそうに語ってくれた。ハム男(仮名、オス、年齢不詳)はまだ新しい環境に慣れておらず、玄関のあかりをつけて様子をみるとブルブルふるえている。あかりを消すとカラカラと、まわり輪でまわっているようだ。ロフト(二階?)へは、はしごを使わずに懸垂で上っていた。つまり体育会系と言えよう、ハム男(仮名、オス、年齢不詳)は。


10月7日(土)春は苺だったらしい。秋なので芋やら栗やら。

 北山のマールブランシュ(機会原因説)にてケーキバイキング。同期三人のプチ同窓会だったが、待ち合わせのマールブランシュ(機会原因説)前にはKさんしかいない。急遽ひとり欠席であり、図らずもKさんとデートということになってしまった。結婚前の娘とデートなんて絶えて久しい、何だか突然によそよそしく緊張したオレのことなどKさんはまるで意に介す様子もなく、さあいきましょうの号令の下ケーキへ突入なのでした。それも午前中から。午後は混むというので。マールブランシュ(機会原因説)といえばこてこてに甘いケーキで有名で、今回のバイキングでも例に漏れずこてこてに甘いものばかりであったが、Kさんもオレもほとんど変態的とも言えるほどの甘いもの食いであったのであるからして、モンブランやら紫芋やらシフォンやらタルトやらを次々とクリアしていったのでした。満悦。フォブに場所を移して二次会、オレはさんざんケーキを収めた後にもかかわらずミルクレープが食べたくなって、ほとんど変態的とも言えるKさんが何か頼んだらオレも、と思ったがお茶しか注文しなかったのでオレもコーヒーで我慢した。まだ午後も早い時刻。互いに遠慮の変態二人だったか。


10月2日(月)雪男

 雪男はヒマラヤ。
 ヒマラヤの春は遅い。
 だいたい5月ぐらい。
 4月でも雪とか降ってるし。
 なんちうても寒い。
 雪男は寒がりなので、たいそうつらいらしい。
 引っ越し考えてるってこのまえ言うてた。

 男シリーズ三部作堂々完結。
 明日からは新男シリーズ。
 第一回は箱男。


10月1日(日)晴男

 晴男は空から自由落下
 布団だ、布団を干したまえ

 ちなみに今日雨降らなかったのは
 天気予報がはずれたからではなく
 晴男が降ってきたからです
 深泥池のあたり


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