日本のはじまりとおわり

小沢一郎まとめてみます。

小沢氏は日本人(民主党及びマスコミ含む)の民度を甘く見積もりすぎていたのではなかろうか。ことばを変えれば、われわれ日本人(民主党及びマスコミ含む)は「大連立」に無用な反応を示してしまったのではなかろうか。うん。私もそうでした。脊髄反射してしまいました。大連立ぅ!?自民と組むだとぉ!?けしからん!実にけしからん!!

小沢氏の辞意表明会見で最も重要なのは、福田総理が「政策協議の最大の問題である我が国の安全保障政策について、きわめて重大な政策転換を決断」した、の下りです。朝日新聞のサイトから引用します。

首相が決断した1点目は、国際平和協力に関する自衛隊の海外派遣は国連安保理、もしくは国連総会の決議によって設立、あるいは認められた国連の活動に参加することに限る、したがって特定の国の軍事作戦については、我が国は支援活動をしない。2点目は、新テロ特措法案はできれば通してほしいが、両党が連立し、新しい協力体制を確立することを最優先と考えているので、あえてこの法案の成立にこだわることはしない。

福田総理は以上の2点を確約された。これまでの我が国の無原則な安保政策を根本から転換し、国際平和協力の原則を確立するものであるから、それだけでも政策協議を開始するに値すると判断した。

これが「辞職願を出した第1の理由」で、第2(年金とか子育てとか農業とか、国民生活に関する法案の政策協議)第3(民主の政権担当能力向上)も重要でなくはないんだけども、たぶん小沢氏が言いたかったのはここの部分です。これってものすごいことですよ。すごいと思わない人はもう一度ゆっくり読んでみてください。

だって、福田氏は「アメリカに言われたからっつって自衛隊出さないよ」って言ってるんですよ。まさに「戦後レジームからの脱却」じゃないですか。よもや現役の自民党総裁で内閣総理大臣である福田康夫の口からそのような歴史的大転換を容認する発言がでてくるとは。このとき小沢氏は思ったはずです。日本、はじまったな、と。

ところが、ですよ。

民主党の役員会で全否定なんですよ。小沢さんあんたの政治目標は二大政党制の実現にあったんじゃないのか。それを大連立だなんて、一体どういう変節なのか。政権交代なくして民主党政権はありえないんですよ!

国民の声も厳しいのです。あんたを信じて参院選投票したのに、あんな腐れ自民と組むなんてどういうこと?騙された!

マスコミまでもが感情的になっちゃって。民主の若手や国民は混乱してますよ。あんた言ってることとやってることが違うって。しかもメディア批判!むきーっ!!取り消せ!取り消せ!!

大事なのはそこじゃないんだけどなぁ…。

辞意撤回の会見で、マスコミの的外れな質問に答えながら小沢氏は思っていたのではないかと危惧します。日本、おわったな、と。

なぜ民主党を割ってしまわなかったんでしょう。どうせ自民も割れるんだし、政党としてのアイデンティティが希薄な民主に固執する必要はなかったのではないでしょうか。総選挙で勝てる見込みでもできたのでしょうか。小沢氏にとっては連立で政権に参加するのも総選挙で勝利して政権を取るのも、政策を実行するための手段に過ぎません(「民主は力不足だと言われている」旨の発言もそういうことを含んでいるでしょう。政権を担当しなければ、政権担当能力は身に付きません)。ただ、周りはそうは見てくれなかった。連立の向こうに見えてくるものに思いを馳せてくれる人はいなかった。小沢氏の落胆はいかほどのものだったのでしょうか。目的は正しかったが手段を誤った。日本が小沢についてこれなかった。日本はまだ普通の国ではなかった。もっと周到な戦略が必要だったのです。

福田総理が15日に初訪米、首脳会談を行うそうです。きっと詰められるんですよ。おまいさん、アメリカには協力しないと発言したそうじゃないか。って。で、弁解しちゃうんだろうなぁ。あれは小沢が勝手に言ってることで、私はそんなことひとことも言ってませんよ。

日本がスネ夫から出木杉になるためのギリギリのところだったんだ。本当は僕としてはのび太になってほしいのですが、そこはまた別の話(同じ話なんだけど少しだけ長くなる)なのでいつか。