限界

2004年11月23日

住基ネット侵入実験のセミナー報告中止で、米国技術者が総務省を提訴」というニュース。

総務省の見解としては、「技術的にはダダ漏れ状態だが、そのことが国民にバレなければオッケー」ということなのだろう。言い換えれば、「国民に騒がれるのは困るが、個人情報が漏れること自体はたいしたことではない」となる。

住基ネットの脆弱さや総務省のなめた態度ははもちろん問題であるが、私が取り上げたいのはそれではない。

11月10日、同社は、総務省がスライドの内容を修正するよう要求していることをヌーワー氏に伝えた。同省は、1.スライドのネットワーク図は、住基ネットではない。2.スライド中の写真に、無線アンテナが写っているが、住基ネットでは無線LANを使用していない。3.住基カード発行用コンピュータの操作画面が写っている写真があるが、公表していないので、出さないように–といった点に言及した。

ヌーワー氏は「1の図は、自分が作業をした範囲を示すもので、住基ネットを説明するものではない。2は、侵入実験の環境がいかに作業に対して困難であったか説明しようとしたもので、住基ネットが無線LANになっていると表現したものではない。3は、公表されているかどうかわからないので公表しない」などと説明、要求に配慮し、この日、修正したスライドを電子メールで主催者側に送信した。しかし、翌11日、同省、日本側主催者からは何も連絡がなかった。

総務省の担当者は忙しすぎるのだろう。3はともかく1とか2とか明らかにおかしい。ヌーワー氏は「写真はイメージです」と説明しなければならなかったのか。

おそらく、理解しようという気がないのではなく、本当に理解できないのだろう。場当たり的な対応でどんどん泥濘みにはまっていく好例、他人事と切り捨てられるものではない。このニュースはヌーワー氏や国民よりもむしろ、総務省に感情移入して見守りたい。

コメントをどうぞ