明日は衆議院議員総選挙の投票日です。選び挙げてください。存分に投げ票してください。でも、ちょっと待ってほしい。何か忘れてないかそうです、あの、国民的コンテスト。最高にナイスな裁判官を決める夏の終わりのビッグイベントです。司法参加する絶好の機会、逃したあなたは共犯者。正義の拳をふり下ろしましょう!最高にベストな権力の犬どもに、生まれてきたことを後悔させてやりましょう!ジャッジ・オブ・ザ・イヤーをあなたの手で握りつぶしましょう!!
私はこれまで、全員にバツをつけてきました。最高裁がいちいちどんな判決出してるかなんて知らんし公報とかも読まんし暇人じゃあるまいし。そこいらへんの小学生よろしく宿題全然やってないし。でもそれって思考停止ですよね。全部無印とあまり変わりません。というわけで、今回はメリとハリとをつけるべく、対象となる9人についての投票所持参マイメモ告示順。
櫻井龍子氏(昭和22年1月16日生)九大法→労働省女性局長→最高裁判事。御殿場事件上告棄却。「趣味、スキー…下手の横スキーです」。…。
竹内行夫氏(昭和18年7月20日生)京大法→外務事務次官→最高裁判事。北米局長→事務次官で、イラク戦争支持。「趣味、西部劇のビデオやDVDを収集」って、ジョージ・W…。
涌井紀夫氏(昭和17年2月11日生)京大法→大阪高裁長官→最高裁判事。郵政選挙の「一票の格差」2.171倍を合憲。「幼時からのタイガースファン」。
田原睦夫氏(昭和18年4月23日生)京大法→弁護士→最高裁判事。郵政選挙違憲。防衛医大教授痴漢事件反対意見。和歌山カレー事件死刑。
金築誠志氏(昭和20年4月1日生)東大法→大阪高裁長官→最高裁判事。「野草観察 ささやかな園芸 囲碁」。
那須弘平氏(昭和17年2月11日生)東大法→弁護士→最高裁判事。弁護士出身なのに2007年参院選一票の格差(5.13倍!)合憲、郵政選挙一票の格差合憲。弁護士出身なのに和歌山カレー死刑裁判長。
竹崎博允氏(昭和19年7月8日生)東大法→東京高裁長官→最高裁長官。裁判員制度を強力に推進すべく、判事を飛び越して、異例の長官就任。
近藤崇晴氏(昭和19年3月24日生)東大法→仙台高裁長官→最高裁判事。痴漢無罪、カレー死刑。「泉鏡花、…(中略)…、赤江瀑、…(中略)…、中島みゆき」。
宮川光治氏(昭和17年2月28日生)名大法→弁護士→最高裁判事。「映画鑑賞と読書」。
材料少ないですね。任官間もなしで判例のない人は、経歴とか趣味とか駄洒落とかで判断するしかないし、もはや何の人気投票なのかよく分かりません。
国籍法違憲も試金石になりえますが微妙ですね。認知偽装→スパイ天国ってのがどこまでリアリティを持つのか。
そんな中とくに注目すべきグッドジョブは第三小法廷。逆転痴漢(2009年4月14日)で「無罪の推定」とかいっときながら、その舌の根も乾かぬうちに和歌山カレーで死刑(2009年4月21日)ですからね。鮮やかな転身です。そういう意味では田原氏は徹頭徹尾有罪有罪で筋が通っています。弁護士出身ですが。
あとは一票格差と外務官僚と裁判員を軸に。2倍とか5倍とかブッシュとかありえない感じでエクセレント。それ以外の人は正直どっちでもいいですが、信任か不信任かっていわれると信任する理由もないし、推定死罪ってことでオール罰。疑わしきは馘首ですね。ってやっぱりそういう結論か。
そもそも何も書かれなければオッケーってのが、正当性調達の手段として姑息なのです。見たことも聞いたこともない人の名前が羅列してあるだけ。たいがいの人はそのままスルーですよ。スルーされれば信任、簡単です。この制度何とかならないのかねぇ。
逆に無印を不信任にすると、それはそれですごい判決ばかり出そうではありますが。大衆に迎合しない判事は生き残れないでしょうし。保守にもリベラルにもウヨサヨにも受ける合理性。難しいねぇ。